日本料理に合う陶器の素材
日本料理は見た目にも繊細で美しいですが、それをより美しく見せる効果を与える存在が料理を盛る食器類です。中でも素材が陶器のものは、丈夫なことはもちろん色合いや肌触りなども楽しめるため、食器としてだけでなくコレクションとして集めている収集家も存在しています。
そんな日本料理に合うおもな陶器の種類として、長崎県の波佐見焼は白磁に藍色の絵付けが特徴的な食器であり、壊れにくいことから江戸時代では日常食器としてもおなじみの存在となり、現在ではデザインが北欧を思わせるようなモダンなタイプも出てきて人気となっています。また石川県の九谷焼については五色の絵具による絵付けとなっているため、見た目にも鮮やかで伝統的なデザインのものは飾るには適しても日常食器として使いにくい雰囲気がありますが、最近ではその鮮やかさを活かして現代風のデザインにアレンジするなどして、ポップで使いやすいデザインのものも登場しています。一方、こういったタイプと違っていかにも焼き物らしい雰囲気のものとしては、岐阜県の美濃焼や滋賀県の設樂焼などがあり、渋めのカラーに模様などはさほど凝っていないものの、シンプルな中に独特の魅力があるとして高い人気を誇っています。他にも佐賀県の有田焼は繊細かつ鮮やかで美しいデザインでおなじみの存在であり、沖縄県のやむちんは沖縄ならではの絵付けが人気の温かみのあるデザインが特徴的です。
こういった日本の陶器たちは基本的にその土地の土を原材料としており、絵柄や釉薬なども土地の特徴を踏まえた存在となっているため、日本各地でそれぞれ異なる魅力的な陶器が数多く存在しています。